第39章 奥様は法を犯した

長谷川遥斗が屋敷のお手伝いさんから電話を受けたのは、ちょうどソファに身体を沈めたばかりのときだった。

半分眠った頭のまま通話に出ると、向こうから甲高い声が飛び込んでくる。切迫した息づかいに、泣き声が混じっていた。

「旦那様、旦那様……早くお戻りください! 奥様が……警察に連れて行かれました!」

長谷川遥斗は跳ね起きた。

「……何だと?」

「さっき警察の人が何人も来て……奥様が林田さんの誘拐を人に頼んだ疑いがあるって……そのまま連れて行かれて、取り調べだそうです」

おかしい。胸の奥で警鐘が鳴る。

遥斗は通話を切るなりボディーガードを呼びつけた。

「人はどうした。あの三人は?」

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