第40章 記者との対峙

穏やかな質疑応答が続くなかで、諏訪詩織はどうにか場を掌握していた。

だが、その瞬間だった。

記者の一人が、突然声を張り上げて噛みつく。

「長谷川夫人。いまのお話は証拠になりません。あなたの一方的な主張にすぎない。あなたは保釈金を納めて出てきたと聞いている。罪が晴れたわけじゃないですよね」

「あなたのご主人が、何か特別な手を使って保釈させたんじゃないですか。認めますか?」

その言葉が落ちた途端、さっきまで静かだった記者の群れが、爆ぜるようにざわめいた。

皆が一斉に、質問者へと視線を投げる。

人混みの中に立っていたのは、二十代そこそこの女だった。入社したばかりなのか、まだ幼さの残る...

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