第42章 もし私があなたを欺いたら……

チリンチリン――

澄んだ着信音がリビングに唐突に響き渡った。

長谷川遥斗は発信者表示をちらりと確認すると、眉をわずかに寄せ、反射的に諏訪詩織へ視線を向けた。

その目が泳いだ瞬間、諏訪詩織は誰からの電話か悟ってしまう。何も言わず、湯気の立つ茶を一口だけ含んだ。

長谷川遥斗は軽く咳払いして立ち上がる。

「詩織、ちょっと電話を」

言い終える前に、足早に庭へ出ていった。

大きなガラス窓越しに見える背中。通話中に浮かぶ僅かな表情の揺れまで、諏訪詩織の目にははっきり映っていた。

「もし本当に、あの件に林田美月が絡んでるって遥斗が突き止めたら……どうすると思う?」

いつの間にか隣に立って...

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