第51章 詩織、あなたも妊娠したんじゃないの?

長谷川遥斗はようやく諏訪詩織の機嫌をなだめ、母がまた彼女を怒らせるのではと気が気ではなかった。慌てて取り繕うように言う。

「母さん、最近、詩織は体調がよくないんだ。休めるなら休ませてやってくれ。そもそも、うちは詩織に稼いでもらわなくても困らないだろ」

庇う言葉のはずなのに、長谷川晴香の耳には「母さんが意地悪してる」と責められているように聞こえた。

腹の奥がむっと熱くなる。だが息子に当たるわけにもいかず、その苛立ちはまるごと諏訪詩織へと向いた。

遥斗が腫れ物に触るみたいに詩織の腕を支え、階段を下りて椅子に座らせるのを見て、さらに機嫌が悪くなる。

「それにしてもねえ。そんなに身体が弱く...

ログインして続きを読む