第66章 開業祝いの花輪

長谷川遥斗から渡されたブラックカードのおかげで、諏訪詩織の事務所はあっという間に形になった。

新会社のために家具や備品を一つひとつ選び、ようやくスタッフが搬入を始めた、その時だった。新任秘書の松本夏子が、血相を変えて駆け込んでくる。顔色がひどく悪い。

息を整える間もなく、夏子が言った。

「諏訪社長……外に、社長のお友達だって名乗る方が、贈り物を持って来ていて……」

その言い方が、妙に引っかかる。諏訪詩織は眉をわずかに上げた。

「何があったの?」

松本夏子は唇を噛み、視線を伏せる。

「……出て見たほうが早いです」

諏訪詩織は夏子について外へ出た。そこで目に飛び込んできたのは、事...

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