第82章 遥斗を傷つけることはしない

諏訪詩織のスマホに映った写真を見た瞬間、林田美月は全身が固まった。額には冷や汗がじわりと滲み、思考がぐちゃぐちゃに絡まっていく。

諏訪詩織は――いつから、自分と鈴木丈史の関係を知っていたの?

ずっと完璧に隠し通せていると思っていた。なのに……。

林田美月は拳を強く握りしめ、無理やり冷静さを取り戻す。諏訪詩織を見上げたときには、奥歯がきしむほど噛み締めていた。

「これ、合成でしょ? あんたがいくら騒いだって、長谷川遥斗が信じると思う? 人を陥れようとしないで!」

「陥れる、ね」

その言葉が耳に入った途端、諏訪詩織の胸の奥がずしりと沈み、逆に笑いそうになった。――やっぱり。棺桶を見な...

ログインして続きを読む