第92章 同じことを考えていた

翌朝早く、諏訪詩織はスマホの着信音に叩き起こされた。

昨夜は寝るのが遅かったせいで頭がぼんやりしていて、画面も見ずに通話を取ってしまう。

「もしもし?」

電話の向こうで、牧野徹が彼女の掠れた声を聞き取ったのか、申し訳なさそうに言った。

「起こしちゃったか?」

その声を聞いた瞬間、詩織の眠気が一気に吹き飛ぶ。ベッドの上で勢いよく起き上がった。

「ううん! 身代金の連中、何か吐いたの?」

こんな時間に牧野徹が電話してくる。用があるに決まっている。詩織が思い当たるのは、昨日の誘拐事件の裏だけだった。

「吐いた」牧野徹の声が低く、硬くなる。「連中の話じゃ、長谷川グループの対立筋――日...

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