第93章 黒幕を問い出した

長谷川遥斗は諏訪詩織を庇うように抱き寄せ、一歩引いた。飛んできた花瓶が目の前をかすめ、危うく直撃を免れる。

次の瞬間――

バンッ!

花瓶が床に叩きつけられ、派手な音とともに粉々に砕け散った。破片が四方へ跳ねる。

遥斗は背筋に冷たいものが走り、すぐさま林田美月へ鋭く叱りつけた。

「何してるんだ! ここは病院だぞ。暴れたいなら帰れ。入院する気がないなら、さっさと家に戻れ!」

美月も、まさかこのタイミングで詩織が扉を開けて入ってくるとは思っていなかったのだろう。遥斗に怒鳴られた途端、目尻がじわりと赤くなる。

「ごめんなさい……わざとじゃないの……」

わざとらしく潤んだ目で遥斗を一度...

ログインして続きを読む