第10章

【N様、ずっと仰慕しておりました。どうか申請をお受けください、お願いします】

承認をタップする。――いったい、どんな手を使ってくるつもりなのか、見てみたくなった。

【N様、初めまして。後藤さんの専属アシスタントをしております早乙女星奈と申します。いきなりのご連絡、失礼いたします】

専属アシスタント、ね。

唇の端がふっと吊り上がる。あの女がこの「見知らぬ相手」に、どんな顔を被ってみせるのか、興味がむしろ増した。

その後に続いたメッセージでは、彼女の姿勢はさらに低くなる。

【辰和は、以前からずっとN様を尊敬しておりました。今回のプロジェクトは後藤グループの今後の戦略に直結する大事な案...

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