第102章

「でも……」川上陸はまだ何か言いたげだった。

「でも、じゃないわ」私は彼の言葉を遮った。「妹さんの命がかかってるのよ。変な意地を張ってる場合?」

私は彼を真っ直ぐに見据えて続けた。

「あなたに気骨があるのは知ってる。人に借りを作りたくないのも分かるけど、今は人命救助が先決でしょう」

川上陸の瞳に感謝の色が滲む。彼は口を開きかけ、唇を震わせ、ついにそのキャッシュカードを手に取った。声は枯れ果てていた。

「ありがとう……本当に、ありがとう……」

「お礼なんていいわ」私は微笑んだ。「ちゃんと返してくれればいいんだから」

彼が気兼ねなく受け取れるよう、私はあえてそう強調した。

川上陸...

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