第118章

それから数日間、後藤辰和は毎日のように私の元へ通ってきた。

夜に来ることもあれば、昼休みの時間を割いて食事を共にしに来ることもある。

何度か追い返そうとしたが、彼は聞く耳を持たず、そのうち私も放っておくことにした。

好きにさせればいい。どうせ飽きれば、自ら興醒めなことなどしなくなるだろう。

波風ひとつ立たない平穏な日々だったが、私にはそれが、まるで嵐の前の静けさのように感じられた。

ある夜、後藤辰和が来て間もなく、電話が鳴った。

ディスプレイに表示された「早乙女星奈」という文字を見て、私の心は重く沈んだ。

後藤辰和は私を一瞥してから、電話に出た。

「もしもし?」

受話口から...

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