第124章

受付を済ませ、待合室のベンチに座る。早鐘を打つ心臓の音が、やけに大きく響いていた。

「温水寧凪さん」

看護師に名前を呼ばれる。

診察室に入ると、そこには四十代半ばほどの女性医師がいた。穏やかで優しげな雰囲気の人だ。

「今日はどうされました?」

彼女が尋ねる。

「ここ数日、ずっと吐き気がして……食欲もないんです」私は答えた。「それに、生理も遅れていて」

医師は顔を上げ、私を見た。

「どれくらい遅れていますか?」

「一週間ほどです」私は小声で答える。

「最後の性交渉はいつ頃?」

私は着ている服の裾をぎゅっと握りしめた。

「一ヶ月前です」

「避妊は?」

「事後に、薬を飲...

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