第126章

後藤辰和の視点

胸が張り裂けそうなほど苦しい。誰に言えばいいのかも分からず、心の中は暗雲が立ち込めたように重苦しかった。

一人でバーに向かい、個室の席に沈み込むように座ると、私は一杯また一杯と酒を煽った。

飲めば飲むほど、意識が冴え渡っていくような気がする。

どれほど飲んだだろうか。ようやく、待ち望んでいた酔いが回ってきた。

私は震える手で携帯電話を取り出し、温水寧凪に電話をかけた。

「温水寧凪、酔っ払った……」私は掠れた声で呟いた。「迎えに来い」

「頭、おかしいんじゃないの」

電話は無慈悲に切られた。私は諦めきれず、何度もリダイヤルしたが、ついに繋がらなくなった。

私は携...

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