第142章

後藤辰和の視点

「たとえ地獄の底に落ちようとも、私はそこで毎日、温水寧凪がのたれ死ぬよう呪い続けてやる」

早乙女星奈はそう吐き捨てると、天を仰いで狂ったように笑った。

その瞬間、私は悟った。私はこれまで、本当の早乙女星奈という人間を何一つ知らなかったのだと。

「俺の手腕はよく分かっているはずだ。お前が握っている程度のネタで、この俺を脅せるとでも?」

早乙女星奈が何を握っていようと、俺には痛くも痒くもない。彼女ごときに俺は脅せない。

「私を助ける気がないなら、今ここで死んでやるわ」

俺は冷ややかに彼女を見据えた。

「お前は死なない」

死ぬのが怖くないなら、そもそも俺に助けを求...

ログインして続きを読む