第150章

後藤寧々は私と一緒に海外へ行きたいと、ずっと付きまとって懇願してきた。

しかし、私はその提案をきっぱりと、何度も断り続けた。

彼女には彼女自身の生活や家族がある。私個人の都合で、彼女を自分のそばに縛りつけるような身勝手な真似はできなかった。

出発の日、後藤寧々は見送りに来てくれた。私を抱きしめて長いこと泣きじゃくり、体に気をつけること、頻繁に連絡を寄越すこと、そして無事に赤ちゃんが生まれたら真っ先に知らせることを、何度も何度も念押ししてきた。

私は微笑んで頷きながらも、胸の奥がツンと締め付けられるのを感じた。

本当なら、住み慣れたこの街に留まりたかった。けれど、ここには後藤辰和がい...

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