第160章

考えに考え抜いた末、私は自分の知るすべての事実を一通の手紙に書き記すことにした。

その手紙を一冊の本に挟み、ホテルのフロントに預ける。「後藤辰和か堀内逸弥が私を訪ねてきたら、この本を渡してほしい」と伝えて。

だが翌日の午後、坂東の手下たちが直接ホテルへ押しかけてきた。

以前と同じ二人の黒服だ。彼らは強硬な態度で迫る。

「坂東がお呼びです。同行していただきましょう」

「まだ答えは出ていないわ」

私はドアの前に立ち塞がり、一歩も動く気がないことを示した。

「あなたの意志など関係ありません」

黒服の一人が冷たく言い放つ。

「大人しくついて来てください。我々に荒事をさせないでいただ...

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