第162章

傍らに立っていた堀内逸弥が、小さく咳払いをした。

「後藤さん、目を覚ましてよかった。寧凪はずっと一晩中付き添ってて、さっきようやく少し休んだところなんだ」

「寧凪を帰らせてやってくれ。俺が看病するから」

後藤辰和は堀内逸弥へ視線を向け、誠実な口調で言った。

「今回は本当に助かったよ。これ以上迷惑をかけるわけにはいかないから、君は先に帰ってくれ。ここは誰もついていなくて大丈夫だ」

堀内逸弥は短く頷いた。

「寧凪、君も一緒にどうだ? 家まで送るよ」

私はこくりと頷いた。

「温水寧凪」

私は振り返った。

「どうしたの?」

「明日も、また会いに来てくれるか?」

「もちろん」

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