第175章

グラスが手から滑り落ち、なみなみと注がれた熱湯の大部分が、容赦なく坂東月夜の胸元と腕に降り注いだ。彼女が着ていた薄っぺらい病衣は、瞬く間に熱湯を吸い込んで肌に張り付く。

「きゃあっ!!!」

坂東月夜は悲鳴を上げ、そのまま床にへたり込むと、苦痛に顔を歪めて体を丸めた。

私自身も肝を冷やした。飛び散った熱湯が少し私の手にもかかり、ヒリヒリと痛んだが、彼女の惨状とは比べ物にならない。

私は即座にナースコールを押し、そのまま洗面所へ駆け込んで濡れタオルを掴むと、彼女の火傷の箇所にそっと当てた。

まもなく医師と看護師が駆けつけ、彼女をベッドへと運び上げる。

坂東月夜の胸元から腕にかけて広範...

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