第18章

電光石火の、その男が口を開こうとした刹那――

早乙女星奈が、尻尾を踏まれた猫みたいに飛び出してきた。

いつの間にか手に細いヒールのパンプスを握りしめていて、そのまま長島の肩や腕めがけて、力任せに叩きつける。

「長島先生、このヤブ医者、クソ野郎!」

叩くたび、甲高い罵声が飛ぶ。

「どうしてそんなことしたの? どうして妊娠に気づかなかったの? あんたのせいで寧凪は死にかけたし、辰和さんにも勘違いさせて……いったい何考えてんのよ!」

動きは早くて容赦がない。

けれど、そのヒールが振り下ろされる合間合間に、星奈が長島へ向ける視線は――あからさまな威嚇と、口止めの警告に満ちていた。

長...

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