第183章

後藤辰和は傍らで低く笑い声を漏らした。

私は羞恥からカッとなり、振り返って彼を睨みつけ、その胸をドンと押した。

「よく笑っていられるわね!」

彼はベッドに倒れ込み、背中をマットレスに強く打ち付けた。くぐもった呻き声を上げ、血の気が一瞬で引き、眉間に深い皺を寄せる。

私は呆然と立ち尽くした。

やがて、彼の背中の病衣に濃い染みが滲み出し、じわじわと広がっていくのが見えた。

血だ。

「後藤辰和!」

私はパニックに陥り、慌てて枕元のナースコールを押した。

血相を変えて飛び込んできた看護師は、後藤辰和の背中に滲む血を見るなり、顔を強張らせた。

「どうされたんですか? 傷口が開いてる...

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