第22章

早乙女星奈の顔に浮かんでいた嘲りが、ぴたりと固まった。まるで喉元を掴まれたみたいに。

まさか私がここまで言い返すとは思っていなかったのだろう。まして、馬鹿げているようでいて抗いがたい誘惑を孕んだ賭けを、私の方から持ち出すなんて。

さっき彼女が口にしたネックレスは、私と後藤辰和が結婚した時、辰和の反対を押し切って、祖母がわざわざ皆の前で私につけてくれたものだ。

早乙女星奈は、あれをずっと狙っていた。その目の奥にある欲しさは、ほとんど形になって漂っているほど。

惜しいから渡したくないわけじゃない。

ただ、あれは祖母からの贈り物だ。こんな相手に、タダでくれてやる気はさらさらない。

「賭...

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