第39章

「また何を騒いでいる」

 二人そろってこちらを振り向き、後藤辰和がうんざりした声を出した。

 もう言い争う気力もない。「……好きに思ってくれていいわ。私がまた理不尽に駄々をこねてるって」

 胸の奥、もともとひびが入っていた場所が、ぱきん、と音を立てて崩れ落ちる感覚がした。

 きっと、気にかけるかどうかの差ってこういうことなんだろう。

 早乙女星奈が一度だけ朝食を作れば「大変だったね」とねぎらわれて、私が毎朝手をかけて用意するのは「当たり前」。一度でも失敗すれば、それまでの積み重ねごと全否定。

 私は朝食を作り終えたら佳奈を学校まで送っていく。自分が食べる時間なんて最初からない。そ...

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