第41章

 後藤辰和はパジャマに着替え、数歩離れたところに立ったまま言った。

「温水寧凪、もう休め」

 それだけで、ほかには何も言わない。

「星奈も、早く休みなさい」

 そう言って部屋のドアを閉めると、やはり私を問い詰める様子もなく、ベッドを指さした。

「おまえがベッドで寝ろ」

 私は遠慮する気にもなれず、素直に頷いた。

 言葉もなく、静けさがじわじわと広がっていく。

 後藤辰和とこんなふうに静かに同じ空間にいることなんて、ほとんどなかった。夜は深く、しんとした中、聞こえるのはお互いの呼吸だけ。

 初めて、喧嘩もなく、睨み合いもなく。

 かえって落ち着かない。

「……お風呂、入っ...

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