第48章

空気がぴたりと凍りついた。

――チン。

手術室のランプがふっと消える。

ベッドごと押し出されてきた後藤佳奈に、早乙女星奈がすぐさま駆け寄った。涙で潤んだ目のまま、顔を覗き込む。

「佳奈、ママの声、聞こえる?」

執刀医がマスクを外しながら言う。

「お子さんはまだ麻酔が残っています。目を覚ますまで、あと数時間はかかるでしょう」

早乙女星奈の全身から力が抜けたように、身体がぐらりと揺れた。

見かねたのか、後藤辰和が前に出て、彼女の肩を支える。

「佳奈はもう危険な状態は脱した。そんなに気を張るな」

「……うん」

早乙女星奈が小さく頷く。

私はそんな二人を冷めた目で見送りながら...

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