第50章

早乙女星奈が短く悲鳴を上げ、身をかがめて、ぎゅっと私の手を握りしめてきた。表情は心配そうそのものだ。

「寧凪、大丈夫? そんなに痛いの? おかしいなぁ、佳奈はまだ子どもだし、そんなに力ないはずなのに――」

言いかけて、ふと口をつぐむ。

「……もし本当に痛いなら、今すぐお医者さん呼んでくるからね」

口ではそう言いながら、その指先はずっと私の手の甲の肉を容赦なくつねり上げていた。

もともとお腹を蹴られてズキズキしていたのに、その痛みがさらに上乗せされ、額に冷たい汗がにじむ。

後藤辰和は、紙のように真っ白になった私の顔を見て、演技じゃないと悟ったらしい。早乙女星奈の肩をつかんで引きはが...

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