第51章

 ほんと、笑っちゃう。

 私が優しすぎたから子どもを失って、早乙女星奈がいまだに私の目の前で元気に跳ね回っていられる。

「後藤辰和、この何年か、あんたが兄貴の代わりになって、あの母娘の面倒見てきたんでしょ?」

「あの人たちが本当に傷ついたって言うなら、それってあんたのやり方が足りなかっただけじゃないの?」

「あんたは誰を恨んでもいいけど、私を責める資格だけはないわ」

 あんたと結婚してからの数年、私は一度だって「夫」の庇護なんて受けてない。それどころか、あの母娘のせいで散々な目に遭ってきた。

 この世の誰が私に「薄情」だって言おうと、構わない。

 でも一人だけ――後藤辰和だけは...

ログインして続きを読む