第61章

後藤辰和は、重々しく喉を鳴らした。

太田香織はびくりと肩を震わせたものの、諦めきれない様子で私を睨み据えてきた。その眼底には怨毒が渦巻き、今にも私を食い殺さんばかりの勢いだ。

彼女は唇を噛み締め、指先が白くなるほど拳を握りしめている。しばらくしてようやく絞り出した謝罪の言葉は、屈辱と不満に満ち、蚊の鳴くような声だった。誠意など欠片もないことは明白だ。

私は彼女を一瞥しただけで、取り合わなかった。そんな形だけの謝罪など、何の価値もない。

「あんたの謝罪なんて受け取らない」

太田香織は激しく地団駄を踏んだ。

「一体どうしろって言うのよ!」

「今すぐ私の視界から消えて。二度と近づかな...

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