第68章

後藤辰和が一歩踏み出し、私の斜め後ろに立つと、低い声で尋ねた。

「あと、どれくらいだ」

「五分」

私の声に感情の色はない。

「サブモニターを繋いで。データの流れを同時に監視するわ」

即座にスタッフが機材を運んでくる。

私は画面を二分割し、左側でファイアウォールの強化を続けながら、右側には巨大なネットワークノード図を展開した。

操作の速度を上げていく。指の動きは残像すら見えないほど速まり、画面上では狂ったようにコードが流れ落ち、防御層が目に見える速度で分厚くなっていく。

不意に、右画面のノード図が静止した。

明滅する赤い点が幾重にもロックされ、最終的にある一行のIPアドレスへ...

ログインして続きを読む