第74章

病院でもう一晩を過ごし、ようやく医師から退院の許可が下りた。

病院の外に出ると、そこには後藤辰和が待っていた。

彼の姿を認めた瞬間、浮かべかけていた笑みが冷たく張りつく。

私の視線を追った堀内逸弥が、促すように言った。

「寧凪、先に俺の車に乗れ」

私は頷いた。

だが、後藤辰和が大股で近づいてきて、私の二の腕を乱暴に掴んだ。

「俺と一緒に帰らないつもりか」

私は露骨に眉をひそめてみせる。

「どうしてあなたと帰らなきゃいけないの?」

「忘れたわけじゃないだろう。俺たちの今の関係を。別々に住むのが適切だとでも?」

後藤辰和は唇を真一文字に引き結び、低い声で告げた。

「お祖母...

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