第79章

掲示板に投稿された写真と根も葉もない噂は、まるで翼が生えたかのように学内を駆け巡った。ほんの半日足らずで、知らない者はいないという有様だ。

私も、図書館を出て初めてその事実を知った。

「川上陸」

私は彼を呼び止めた。

「学内掲示板を見て。私とあなたが付き合ってるって、皆が噂してる」

川上陸は携帯を取り出して一瞥すると、淡白に言った。

「根拠のない戯言だ。放っておけば、そのうち消える」

私は何か言おうとして、言葉を飲み込んだ。

「……気になるのか?」

「やっぱり、否定したほうがいいんじゃない? 変に誤解されるのも嫌だし」

「否定したければすればいい。ただ、連中は信じないと思...

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