第81章

彼女の顔色がさっと曇り、腕に込める力が強まる。無言の抵抗だ。

突然、彼女は強烈な力で私の手を振りほどいた。指先が痺れるほどの勢いだ。

彼女は凶悪な笑みを浮かべ、口の中の風船ガムをクチャクチャと鳴らしながら言い放つ。

「私に手を上げる気? これでもテコンドーやってるんだけど。私に喧嘩売ったら、痛い目見るよ」

「誰の差し金?」

私は一歩も引かず、冷ややかな視線を向けたまま、一言一句区切って問い詰めた。

「早乙女星奈? それとも他の誰か?」

早乙女星奈は狡猾だ。こんな思慮の浅い人間を寄越すはずがない。

だが、この女が早乙女星奈と知り合いなのは確かだ。妙だな。

「誰だってあんたに関...

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