第82章

後藤寧々はテコンドーの経験者だとはいえ、多勢に無勢だ。それに相手の女たちは、見るからに一筋縄ではいかない連中だ。勝てるはずがない。

金髪に染めたリーダー格の女が、先頭に立って後藤寧々の肩を突き飛ばし、汚い言葉を浴びせかける。

「あんた、随分と威勢がよかったじゃない? あたしが目をつけた男を奪っといて、よくもまあ減らず口を叩けたもんだね」

「それっぽい格好してるけど、中身はただのビッチじゃん」

「今日こそたっぷりと教育してやるから、自分の立場を思い知りな!」

後藤寧々の髪は乱れ、口元には赤い痕が残っている。以前のあの傲慢さはどこへやら、彼女は服の裾を強く握りしめ、小刻みに震える体で必...

ログインして続きを読む