第104章 衝突実験

「頼む、許してくれ! 俺が悪かった!」

 小松弘美の悲痛な叫び声が、監視モニター越しに絶え間なく響いてくる。

 鈴木七海は頭上の巨大なスクリーンを見上げ、冷ややかな笑みを浮かべた。

 水面のように澄んだ瞳、固く結ばれた桜色の唇。その目鼻立ちはあまりにもあでやかで、見る者を魅了する美しさを湛えている。だが、その手で行われている所業は、戦慄するほどに冷酷だった。

 甘美な容姿と、慈悲のない行動。そのあまりのギャップに、佐藤奈須の助手は目眩すら覚えていた。しかし、それ以上に胸に去来するのは、ある種の痛快さだ。

 あれだけのことをしたのだ。罰を受けて当然だろう。

 罰を免れようなどという...

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