第139章 中村健の無念

今夜の主役は佐藤奈須だ。機嫌もすこぶる良く、勧められるがままに来るもの拒まずで杯を干し、かなりの酒量を飲んでいた。

鈴木七海はそんな男たちの酒盛りには加わらず、手持ち無沙汰にフルーツジュースを啜りながら、時折スマホを弄っていた。

宴もたけなわという頃、鈴木七海はお手洗いに立ち上がったが、室内の化粧室は橋本慎吾に占領されていた。

鈴木七海は佐藤奈須に声をかけ、外のお手洗いへ行くと告げた。

佐藤奈須は相当飲んでいたが、まだ酔い潰れてはおらず、表情もしっかりしていた。

「俺がついていく」

彼はグラスを置き、立ち上がろうとする。

「いいえ」

鈴木七海は彼を制し、苦笑交じりに言った。

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