第165章 荒れ狂う殺意

鈴木七海が部下を率いて駆けつけたとき、地下室はすでにもぬけの殻だった。

瞳の光が翳り、心が急速に冷え込んでいく。

佐藤奈須は生きている。それだけは確信していた。ただ、深手を負っているはずだ。

だというのに、彼はどこへ消えたのか。まさか、また中村信に連れ去られたというのか。

鈴木七海の胸の奥底から、抑えきれないほどの憎悪が噴き上がる。今回こそ佐藤奈須を連れて帰れると思っていたのに、またしても一歩遅かった。

諦められるはずがない。

鈴木七海は小林大雅と林原宏の制止を振り切り、愛車に乗り込んだ。

アクセルを踏み込み、車を疾走させる。中村信を逃がすわけにはいかない。奴はまだ遠くへは行っ...

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