第181章 裏切り者

白衣を纏った研究員たちを従え、彼は大仰な列をなして堂々と去っていく。

まったく、とんだ大名行列だ。

中平記由はその様子を見て笑った。

「小川さんのあの登場、まるでゴッドファーザーですね」

中平晶夫は彼を鋭く睨みつけたが、口は開かなかった。

一方、中村健の顔色は陰鬱そのもので、周りの空気さえ凍りつかせそうだ。

AI分野において、小川和真に代わる科学者が一人でもいれば、足を踏み入れたりはしなかっただろう。屈辱を味わうためだけに来るなど、本来あり得ないことだ。

「行くぞ」

背後の松本暉に、冷たく言い放つ。

ここに来てからずっと、松本暉は中村健の影のように付き従い、一連の出来事に対...

ログインして続きを読む