第189章 黒田星奈こそが罪人

その時、従業員たちは二人を見ると、次々と挨拶し、恭しい態度を見せる。

だが、鈴木七海が佐藤奈須の車椅子を押して彼らの側を通り過ぎるや否や、背後からひそひそとした陰口が漏れ聞こえてきた。

「あれが佐藤社長か?」

「どうやら佐藤社長、本当に廃人になっちまったみたいだな。でなきゃ、社長の椅子が鈴木社長に回ってくるわけがない」

「俺の印象じゃ、佐藤社長って言えば切れ者で果敢な人だったんだが……まさか資産も株も全部、鈴木社長に譲っちまうとはな」

「とんだお人好しの色ボケ野郎だな! 何になるってんだ? 足が動かねえんじゃ、一生健常者と同じようには生きられねえ。人の心なんて変わりやすいもんだ。鈴...

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