第193章 衆叛親離

鈴木七海は金に困っていない。だからこそ、彼女は金銭そのものに執着などしていなかった。

このタイミングでの善行は、ただ佐藤奈須の冥福を祈り、己の良心を安らげるためだけではない。それは大衆に向けたイメージアップであり、湯水のように金を注ぎ込んで作り上げた『完璧な偶像』の完成形だった。

彼女がそう振る舞えば振る舞うほど、世間は鈴木奏良を嘲笑し、鈴木南を攻撃するようになる。

今後、鈴木七海に弓引く者は、誰であれその正当性を疑われることになるだろう。何しろ相手はあの鈴木七海なのだ。私財を投げ打って庶民を救う彼女が、間違ったことなどするはずがない。雲の上の存在でありながら、弱者に慈悲深い大慈善家。...

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