第198章 ただ疲れただけ

その時、鈴木七海はようやく口を結び、言葉を発した。「私に見せて。あなたは早く食事を済ませて」

佐藤奈須は箸を手に取り、食事を進めながら言った。「あとで企画書を取締役会に見せておけ。皆がいけると思ったら、会議を開いて検討するぞ」

彼はスープを一口啜ると、何か思い出したように傍らに控える助手に視線を向けた。「翁長久に企画書のブラッシュアップをさせろ。プレゼン資料を作らせて、来週の会議は彼に進行を任せる」

佐藤奈須は以前と変わらず習慣的に指示を出し――そこでハッとした。今の星辰グループの社長は、鈴木七海なのだ。

佐藤奈須は言葉を詰まらせる。

「……七海、これでいいか?」

鈴木七海は伏し...

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