第220章 法の枠外の審判

間違いなく、鈴木七海は彼女に「まっとうな逃げ道」を心から示してくれたのだ。

鳥井莉珂は静まり返り、涙に濡れた瞳に希望の光が宿る。

鈴木七海の言葉が、彼女に新たな生きる希望を与えたことを悟ったのだ。

彼女は気力を取り戻し、瞳を輝かせた。

「鈴木社長、私が翁長久を殺して差し上げましょうか」

彼女なりの、精一杯の恩返しだった。

鈴木七海は振り返ることなく、ただわずかに首を横に振り、そのまま階段室を後にした。

鳥井莉珂はその背中に向かって声を絞り出す。

「鈴木社長、このままでいいのですか? 悔しくないのですか?」

諸悪の根源は翁長久だというのに、なぜ鈴木七海は報復しようとしないのか...

ログインして続きを読む