第233章 佐藤社長に席を譲る

吉田は深く松本を一瞥した。

「最初からそのつもりだったのか?」

松本の顔には相変わらず笑みが浮かんでいた。

「もちろんだ。備えあれば憂いなし、と言うだろう」

彼は以前から、鈴木の離脱は中村グループにとっての損失だと言っていた。ならば、別の方向からその損失を埋めるまでだ。鈴木が中村グループの敵となるなら、彼女と対立する相手を招き入れればいい。

中村グループは一時的に劣勢に立たされることはあっても、ずっとそのままでいるわけにはいかないのだ。

吉田は返す言葉がなかった。

今後、L市の勢力図は大きく書き換わることになりそうだ。

松本と吉田がどんな言葉を交わしたのか、鈴木は知る由もなか...

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