第254章 入札交渉

実のところ、この手のコンペティションでは、上層部がすぐに結論を出すことはない。何らかの口実を設けて一旦コンペを終了させ、その後、裏で候補者と個別に交渉を行うのが常套手段だ。

果たして、佐藤奈須の推測通りだった。先方は適当な理由をつけてコンペを打ち切り、他チームの落選を言い渡した一方で、星辰グループと中村グループのチームだけを居残らせ、別室での協議の場を設けたのである。

退席する者たちの間からは、ひそやかな愚痴が漏れ聞こえてきた。

「やっぱりな。鈴木七海と室林永子のチームが落とされるわけがない。どうせあの二社を組ませる気なんだろ」

「そうとも限らないさ。中村グループと星辰グループの提携...

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