第263章 過去との和解

かつて、鈴木七海は目の前にいるこの女を憎んでいるとばかり思っていた。

だが、実際に会ってみると、不思議と微塵も憎しみが湧いてこない自分に気がついた。

憎しみというより、それはやり場のない悔しさ、言葉にならないやるせなさだった。

彼女は込み上げる感情を押し殺し、微かに頷いてから小声で言った。

「本当に、綺麗な場所ですね」

「昔はこんなに綺麗じゃなかったのよ。全部私のデザイン通りに建て直したの」

黒田星奈はふわりと微笑みながら説明した。

彼女に案内されて別荘の中へ入ると、内装はシンプルでありながらも上品さを失わず、至る所に精巧な美術品が飾られ、温かく心地よい空間を創り出していた。

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