第274章 魔憑き

鈴木七海はそんな保証などしない。そもそも、彼女はなかなかに気が強いのだ。

「正直、最初に見かけたときは綺麗な女だと思った。男が視覚に弱い生き物だっていうのは、君も知っているだろう?」

「それで実際に接してみたら、かなり有能で利用価値があると感じた。おまけに中村健の元妻だ。君を口説き落とせば、あいつの鼻を明かせるからな」

誤魔化しは通用しないと分かっているからこそ、佐藤奈須は事実だけを口にした。当時の彼は、確かにそう考えていたのだ。

案の定、鈴木七海は彼の耳を引っ張り始めた。力こそ強くないものの、彼女が少し腹を立てているのが佐藤奈須には伝わってくる。

こうなることは分かっていた。

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