第290章 交渉

もちろん、上村愛美も鈴木七海を本当の姉妹のように、人生で最も大切な存在として見ているからこそ、彼女のためにすべてを投げ打つことができたのだ。

だが、もし鈴木七海がいなければ、上村愛美が彼に出会うこともなかったはずだ。

そこまで考えが至ると、白崎政光は不意に口を開いた。

「鈴木七海、考えたことはないのか。上村愛美に降りかかった災難は、すべてお前のせいかもしれないと」

唐突に、彼は脈絡のない言葉を投げつけた。

鈴木七海は言葉を失った。

あるいは失言に気づいたのか、白崎政光は慌てて取り繕うように言った。

「鈴木七海、俺と上村愛美の間のことに口出しする必要はない」

鈴木七海の眼差しは...

ログインして続きを読む