第302章 スキャンダル

白崎政光は背筋を伸ばして立っていた。ただそれだけで、上村愛美に目に見えない威圧感を与えている。

上村愛美は彼に向かって瞬きをし、その袖を軽く揺さぶった。

「まずは怒らないでくださいな」

白崎政光は冷ややかな笑みを浮かべる。

「怒ってなどいない」

上村愛美は呆れて言葉を失った。

明らかに怒り心頭で、冷笑までこぼしているというのに、それでも認めようとしないのだ。

彼女は小さく唇を尖らせ、再び彼の袖を引っ張って揺らした。

「はいはい、私が悪かったですわ。仕事が忙しすぎて、あなたのことを気遣えませんでした。これについては帰ってから、ちゃんと謝りますから」

白崎政光は眉をひそめた。そ...

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