第319章 復讐の計画

心臓が早鐘のように鳴り響くのを必死に押さえ込み、森下美香は着ていた病衣を素早く脱ぎ捨てた。

着替えを済ませると、サングラスとマスクで顔を隠す。スマホのアプリで配車を頼み、足早にその場から逃走した。

到着した車の運転手は怪訝そうにちらりと彼女に視線を向けたが、それ以上は何も聞いてこなかった。

森下美香は市内でも人外れの寂れた地区を行き先に指定し、車を降りると安い宿を探し歩いた。

古ぼけた入り口をくぐった途端、埃っぽいカビの臭いが鼻を突く。

フロントにいたのは、顔中に皺を刻んだ老人だった。彼は気だるげに彼女を一瞥しただけで、差し出された紙幣を受け取ると無言でルームキーを突き出した。

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