第三百二十章 命乞い

続いて、一台のミニバンが目の前に停まった。

森下美香は目を丸くし、反応する間もなく数人のボディガードに車へと引きずり込まれた。

道中、ずっと目隠しをされていたため、周囲の状況は全く分からず、車から飛び降りるなど到底不可能だった。

耳に届くのは、自身の激しい心臓の鼓動と、恐怖に震える声だけだ。

「あんたたち、一体何が目的なの!?警告しておくけど、美香は白崎グループの跡取り、白崎政光の女なのよ!もし美香に指一本でも触れたら、政光が絶対に許さないんだから!」

この時、彼女がすがりつける唯一の命綱は白崎政光だけだった。

頭では、政光が自分を庇ってくれるはずがないと分かっていた。それでも、...

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