第340章 上村愛美の妊娠

鈴木七海はスマホを置き、お手洗いへ向かおうとした。その時、不意に着信音が鳴り響く。

画面に目をやると、見知らぬ番号からの着信だった。

そのまま視線を時刻に移す。ちょうど夜の九時を回ったところだ。

星辰グループで急なトラブルがあり、佐藤奈須はその対応に追われているため、病室には彼女一人しかいない。

こんな時間に、一体誰からだろうか。

鈴木七海は少し躊躇った後、通話ボタンをタップした。

だが、電話に出ても相手は沈黙したままで、微かなノイズ音だけが耳の奥を掠める。

怪訝に思い眉をひそめ、彼女は探るように口を開いた。

「もしもし」

しかし、返ってきたのはやはり無言のまま。

もう一...

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