第348章 上村愛美の悩み

もともと彼と鈴木七海は、それを吉田陽斗に任せるつもりだった。

だが、病院はやはり人の出入りが多く、誰かの目が光っているとも限らない。そのため、小川和真に託すのが一番安全だと判断したのだ。

小川和真は目をさらに見開いた。

彼は呆然としたまま佐藤奈須をしばらく見つめていたが、やがて折れたようにそのネームプレートを受け取った。

「前もって言っておくが、俺の本業は研究だ。このネームプレートは暇を見て調べるだけだから、いつ結果が出るかは約束できないぞ」

佐藤奈須は鈴木七海の言葉を思い出し、ふっと笑みを浮かべて言った。

「七海ちゃんが言ってたよ。もしできるだけ早く結果を出してくれるなら、彼女...

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